「EMシステムズ」の電子カルテ徹底解説!製品の特徴・費用から見るシステム選定のポイント
2026年06月26日
電子カルテの導入やリプレイスを検討中の医療従事者の皆様へ。本記事では、株式会社EMシステムズが提供する「MedicalStation」や「MAPs for CLINIC」といった主要製品の特徴や費用体系を客観的な視点で徹底解説します。さらに、システム形態(オンプレミス型・クラウド型)の違いや、他社製品との比較ポイント、選定手順まで網羅的にガイド。自院の運用に最適な電子カルテ選びのヒントとしてご活用ください。
目次
はじめに:2026年現在の電子カルテ市場と医療DXの潮流
現在、クリニック経営を取り巻く環境は、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の波により大きな変革期を迎えています。紙カルテからの移行はもちろん、稼働から年数が経過した旧世代システムからのリプレイスを検討する医療機関が増加しています。
2026年度の診療報酬改定など、国主導で医療DXが強力に推進される中、電子カルテの導入や活用が直接的に評価される仕組みが整いつつあります。オンライン資格確認の導入や電子処方箋への対応など、法改正や新しい制度への迅速な対応は、クリニック運営において避けては通れない課題となっています。
このような背景から、単に診療記録を電子的に保存するだけでなく、予約・問診・決済システムとの連携、経営分析データの活用、地域医療連携への対応など、電子カルテシステムに求められる要件は年々多様化しています。
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株式会社EMシステムズの企業概要と提供システム
電子カルテを選定する際、提供元企業の背景やラインナップを正しく理解することは重要です。株式会社EMシステムズは1980年に創業した企業であり、調剤薬局向けシステムや医科向けシステムを中心に事業を展開しています。
同社は調剤システム領域で事業を拡大してきた経緯があり、その技術を基盤としてクリニック向けの電子カルテやレセコン(レセプトコンピュータ)の開発・提供を行っています。全国に営業拠点およびサポート拠点を配置しており、対面での導入サポートや保守サービスを実施している点が特徴として挙げられます。
EMシステムズの主要製品ラインナップ
EMシステムズは、クリニックの運用形態やニーズに合わせて複数の電子カルテ製品を提供しています。代表的な製品であるオンプレミス型の「MedicalStation」と、クラウド型の「MAPs for CLINIC」の特徴について解説します。
【オンプレミス型】MedicalStation(メディカルステーション)の特徴
MedicalStationは、院内にサーバー機器を設置して運用する「オンプレミス型」の電子カルテ・レセコン一体型システムです。
機能と対応診療科 受付から診察、会計、レセプト請求に至るまで、クリニックの基幹業務をカバーする機能を搭載しています。調剤システム開発のノウハウを反映しており、処方入力に関する機能が標準搭載されています。 対応診療科としては、内科、小児科、整形外科、皮膚科、眼科など、無床クリニック全般での導入実績があります。
レセコン一体型の仕様 MedicalStationは電子カルテとレセコンが統合された一体型システムです。電子カルテ側で入力した診療行為や処方内容がレセプト情報として自動反映されるため、請求業務における転記作業を削減できる仕様となっています。
【クラウド型】MAPs for CLINIC(マップスフォークリニック)の特徴
MAPs for CLINICは、インターネット経由でデータセンター上のサーバーにアクセスして利用する「クラウド型」のシステムです。
クラウド型としての基本仕様 院内に専用サーバーを設置する必要がないため、インターネットに接続できる端末があれば利用可能です。タブレット端末での閲覧や操作にも対応できるよう設計されています。
機能とセキュリティ 操作性を重視した画面レイアウトを採用しており、日々の診療記録やオーダー入力をブラウザ上で行います。データの保管先であるデータセンターでは、厚生労働省等のガイドラインに準拠したセキュリティ対策(通信の暗号化やアクセス制限など)が施されています。
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導入前に知っておくべき評判と客観的評価
製品を選定する上で、システムの特徴を客観的に把握することは重要です。システム形態ごとの特性として、以下のような傾向があります。
オンプレミス型の運用特性
MedicalStationのようなオンプレミス型システムは、院内ネットワーク内で処理が完結するため、インターネット回線の混雑状況に影響されにくいという特徴があります。また、メーカー独自のインターフェースに慣れているスタッフにとっては、従来通りの手順で業務を進めやすい側面があります。 一方で、定期的なハードウェアリプレイスや、院内でのバックアップ管理がクリニック側の負担になる場合があります。
クラウド型の運用特性
MAPs for CLINICをはじめとするクラウド型システムは、法改正時のプログラム更新がデータセンター側で一括して行われるため、院内でのアップデート作業が不要です。 一方で、利用環境におけるインターネット回線の品質が、システムのレスポンス速度に直結するという特性を持っています。また、月額利用料が長期間継続して発生する点を考慮した上で、運用コストを算定する必要があります。
他社メーカーとの客観的な比較ポイント
電子カルテ選びにおいては、複数のシステムを比較検討することが推奨されます。比較の軸となる4つのポイントを整理します。
比較ポイント1:システム提供形態(クラウドか、オンプレミスか)
導入時の初期費用や、災害時のデータ保護(BCP対策)、在宅診療などの院外アクセスを重視するかどうかによって選択が分かれます。近年は、初期費用を抑えられ、メンテナンスの手間がかからないクラウド型を採用するクリニックが増加傾向にあります。
比較ポイント2:レセコンの構成(一体型か、ORCA連動型か)
EMシステムズのMedicalStationのような「一体型」は、単一のメーカーが提供する機能で完結する仕組みです。 一方、日本医師会が提供する標準レセコン「ORCA」と連動させる「ORCA連動型」の電子カルテも多数存在します。ORCA連動型は、電子カルテ部分とレセコン部分を独立して扱えるため、将来的なシステム変更時の柔軟性が高いという特徴があります。
比較ポイント3:操作性と入力支援
毎日の診療で使用するため、少ないクリック数で目的の操作ができるかどうかが重要です。近年では、過去の入力履歴を学習する機能や、タブレットでの手書き入力に特化した機能を持つ電子カルテが登場しています。
比較ポイント4:周辺システムとの連携性
Web予約、事前Web問診、オンライン診療、自動精算機など、患者の利便性を高めるシステムとスムーズにデータ連携できるか(API連携の柔軟性)は、業務効率化の鍵となります。
クラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」の特徴と選ばれる理由
電子カルテの比較検討において、クラウド型の分野でトップクラスの導入実績(※m3.com調査2025年1月)を持つ「エムスリーデジカル」も有力な選択肢となります。ここでは、エムスリーデジカルの具体的な機能と特徴について解説します。
特徴1:AIによる診療支援で入力業務を効率化
エムスリーデジカルは、AIが医師のカルテ入力の傾向を学習し、頻繁に使用する処方や検査のセットを自動でサジェスト(提案)する機能を搭載しています。これにより、キーボード入力の手間を省き、カルテ記載にかかる時間の削減に貢献します。
特徴2:初期費用0円から導入可能なコスト設計
エムスリーデジカルの基本料金は以下の通りです(価格はすべて税別)。
- 初期費用: 0円~(※構成によりORCA側の初期設定費等が別途発生する場合があります)
- 月額費用:
- ORCA連動型: 11,800円(税別)~
- レセコン一体型: 24,800円(税別)~
初期費用を大きく抑えて導入を開始できるため、新規開業時の設備投資を最適化したい場合や、リプレイス時のコスト負担を最小限にしたいクリニックから選ばれています。
特徴3:直感的な操作とiPadでの手書き入力
ITツールの操作に不慣れなスタッフでも直感的に理解しやすいUI(ユーザーインターフェース)を採用しています。また、iPadを利用した手書き入力や写真撮影・取り込みにも対応しており、紙カルテに近い感覚で診療の記録を残すことが可能です。
特徴4:「デジスマ診療」とのシームレスな連携
予約から問診、受付、そして会計(キャッシュレス決済)までをスマートフォンアプリ上で完結させる「デジスマ診療」とのシームレスな連携が可能です。これにより、クリニックの受付スタッフの業務負担を大幅に削減しつつ、患者の院内待ち時間短縮による満足度向上に貢献します。
【デジスマ診療の料金プラン例】(価格は税別)
- オンラインプラン: 初期費用0円 / 月額15,800円(税別)
- デジカルセットプラン: 初期費用400,000円(税別) / 月額15,800円(税別)(※エムスリーデジカルをプレミアムプランでご利用の場合) ※オンライン決済利用時は決済額の2.95%の手数料等が発生します。
特徴5:強固なセキュリティと手厚い導入サポート
データは厳重に管理されたクラウド上で保管され、定期的な自動バックアップが行われます。また、専任のサポートスタッフが設定から稼働後の操作方法までを手厚くフォローする体制が整えられています。
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電子カルテ導入・リプレイスの具体的なチェックリスト
電子カルテ選びで失敗しないための、具体的なステップと確認すべきポイントをまとめました。
- 現状の課題の棚卸しと目的の明確化
- 受付業務の工数が多いのか、レセプトの修正作業に時間がかかっているのか、課題を可視化します。
- 必要な機能の優先順位付け
- 必須要件(Must)と希望要件(Want)を分けます。「AI入力支援」や「自動精算機連携」など、自院の将来を見据えて必要な機能を選定します。
- デモンストレーションの実施
- 医師だけでなく、医療事務や看護師など実際に操作するスタッフ全員でデモ機に触れ、模擬患者を用いた運用シミュレーションを行います。
- 総保有コスト(TCO)の比較
- 初期費用と月額費用だけでなく、5年間稼働させた場合の「総額コスト」を各社で比較します。
- データ移行の手順確認(リプレイスの場合)
- 現在のシステムから患者基本情報や過去のカルテデータがどこまで移行できるか、メーカー間で仕様を確認します。
電子カルテに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 契約から導入までの期間はどのくらいかかりますか?
A. システムの形態やデータ移行の有無により異なりますが、一般的には契約から本稼働まで2ヶ月~4ヶ月程度の準備期間が必要です。クラウド型の場合はサーバー設置の手間がない分、比較的早く導入可能なケースが多いです。
Q2. 停電やインターネット障害が発生した場合、クラウド型カルテはどうなりますか?
A. クラウド型はインターネット通信が必須となるため、回線障害時は一時的に利用できなくなります。そのため、スマートフォンのテザリング機能やモバイルルーターなどの代替回線を準備しておくことが強く推奨されます。停電時についても、ノートPCやタブレットであればバッテリー駆動で一定時間操作が可能です。
Q3. 他の周辺システム(予約、問診システムなど)との連携は可能ですか?
A. 製品によって対応状況が異なります。主要なクラウド型電子カルテは外部システムとの連携(API連携)に積極的な傾向がありますが、システムによっては外部連携に個別の開発が必要となり、期間や費用が変動する場合があります。導入前に、連携を希望するシステム名と要件をベンダーへ伝え、実績と費用をご確認ください。
2026年以降のトレンドと標準型電子カルテへの対応
電子カルテ市場の今後の動向として、政府主導による「標準型電子カルテ」への対応が挙げられます。 これは、カルテ情報の規格(HL7 FHIR等)を全国統一することで、医療機関同士の情報連携や、患者本人が自身の医療データを管理・活用しやすくするための取り組みです。
2030年頃には大多数の医療機関で標準規格に対応したシステムの運用が目標とされています。 そのため、これから導入するシステムにおいては、「標準化への対応方針が明確であるか」「法改正や規格変更時のアップデートが迅速かつ安価(または無償)で行われるか」という視点が非常に重要視されます。常に最新バージョンが適用されるクラウド型電子カルテは、このような制度変更にスムーズに対応しやすいという構造的なメリットを持っています。
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まとめ:自院の課題解決に最適な電子カルテ選びを
本記事では、EMシステムズの提供する電子カルテの特徴や費用体系を中心に、システム選定に必要な基礎知識から他社製品との比較ポイントまでを網羅的に解説しました。
電子カルテ選びにおいては、製品の機能単体だけでなく、システム形態(クラウドかオンプレミスか)による総保有コストの違いや、将来的な拡張性(医療DXや標準型電子カルテへの対応)を総合的に判断することが不可欠です。
コストパフォーマンス、導入の迅速さ、AIによる入力支援、そして各種周辺システムとの連携による業務効率化を重視される場合は、「エムスリーデジカル」のようなクラウド型電子カルテの比較検討もおすすめします。
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