電子カルテとPACS連携の完全ガイド|メリット・選び方まで徹底解説
2026年09月02日
「PACSって何?」「電子カルテと何が違うの?」という疑問を持つ開業医・医療事務担当者向けに、PACSの基本概念から導入メリット、電子カルテとの連携メリットまで解説します。
目次
PACSとは?
PACSとは、「Picture Archiving and Communication System」の略で、画像診断装置のデータを保存・管理・共有する仕組みです。X線(レントゲン)・CT・MRIなどの医用画像を、撮影後すぐにPACSへ送信・保存し、診察室のパソコンからいつでも呼び出せます。院内の複数の診察室で同じ画像を確認できるほか、電子カルテや放射線情報システム(RIS)とも連携できます。
PACSは1990年代に大病院で使われ始め、現在ではクリニックへの導入も広がっています。
PACS導入の3つのメリット
・即時閲覧・共有:撮影後すぐに呼び出せ、複数の医師で同時に確認できます
・保管コストの削減:フィルムでの保管が不要になり、保管スペースやファイリングの手間を削減できます
・遠隔診断への対応:画像データを専門医と共有でき、遠隔診断にも対応しやすくなります
PACSの種類を比較する:オンプレ型とクラウド型
クリニックの状況によって、向いているタイプは異なります。
比較項目 | オンプレ型 | クラウド型 |
|---|---|---|
初期費用 | 比較的高くなる傾向 | 比較的抑えやすい傾向 |
運用・保守 | 自院での管理が中心 | 事業者へ委託しやすい |
他施設共有 | 限定的になりやすい | しやすい |
通信の影響 | 左右されにくい | 左右されやすい |
※費用感は導入するシステムやデータ量によって異なります。詳細はメーカーへご確認ください。
厚生労働省が策定する「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(第7.0版〔保守委託機関編〕、令和8年6月)では、人的リソースが限られる小規模な医療機関等では、クラウドサービスの利用や業務委託によって管理を事業者に委ねることが推奨されるとされています。スタッフの少ないクリニックもこの「小規模な医療機関等」に含まれるため、自院でサーバーを保守する体制を整えるより、専門の事業者に運用を任せられるクラウド型を選ぶことで、日々の運用負担を抑えられる可能性があります。
(参考:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版(保守委託機関編)」令和8年6月 )
PACSと電子カルテの違い
電子カルテとPACSは、しばしば混同されますが、管理する情報の種類と役割が根本的に異なります。
電子カルテ(EMR/EHR)は、患者の基本情報・診療録・処方・検査オーダー・病名・請求情報など「テキストベースの診療情報」を管理するシステムです。一方、PACSは「画像データ」に特化したシステムであり、X線・CT・MRIなどの大容量デジタル画像を専門に扱います。
イメージとしては、電子カルテが「患者ファイルの棚」であり、PACSが「レントゲン画像の保管庫」です。それぞれ単独でも機能しますが、この2つが連携することで、診察中に電子カルテの画面から直接患者の画像を呼び出せるようになり、診療の流れが大きく変わります。
電子カルテとPACS連携で得られる5つのメリット
1. 診察室から画像にすぐアクセスできる
最も直接的なメリットは、診察の流れを止めずに患者の画像を確認できる点です。電子カルテとPACSが連携していない場合、医師は画像を見るために別の端末を操作したり、読影室に移動したりする必要がありました。連携が実現すると、電子カルテの患者画面から直接該当患者のX線・CT・MRI画像をワンクリックで呼び出せます。
外来診療中の「この患者さんの前回のCTを見せてほしい」という場面を想像してください。電子カルテ画面からそのまま画像が開けば、患者への説明もスムーズになり、1件あたりの診察時間短縮への貢献も期待できます。
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2. フィルム・物理保管コストの削減
フィルム現像コスト、現像液・定着液の消耗品費、フィルム保管庫の設置スペース、廃棄時の産業廃棄物処理費など、従来の写真フィルム管理にはさまざまなコストが発生していました。PACSを導入することで、これらのランニングコストの削減が期待できます。
特に整形外科や内科でX線撮影件数が多いクリニックでは、フィルム関連コストの累積が大きく、PACS導入による費用削減効果が現れる傾向があります。
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3. 院内での情報共有がリアルタイムに
PACSと電子カルテが連携すると、画像データと診療録が紐付いて管理されます。医師・看護師・検査技師・医療事務それぞれが、権限の範囲内で必要な情報を同時に参照できるため、院内コミュニケーションのロスが減少します。
複数の医師が在籍するクリニックでは、担当医が不在でも他の医師がすぐに画像を確認して対応できるため、患者対応の質の底上げに貢献します。
4. 院外・在宅からの遠隔アクセスが可能に
クラウドPACSを採用した場合、インターネット接続環境があれば院外からでも画像の閲覧が可能です。往診先や自宅からタブレット・スマートフォンで患者の画像を確認したり、専門医との連携(遠隔読影)に活用したりする使い方が実現します。
遠隔読影サービスと組み合わせると、放射線専門医が常駐していない中小クリニックでも、CT・MRI画像の読影レポートを迅速に入手できるようになります。これは診断精度の向上と医師の業務負荷軽減に貢献します。
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5. 法令に沿った長期保管と監査対応の容易化
医療機関が医用画像を保管しなければならない期間については、診療録の法定保管年数である診療完結の日から5年(保険医療機関及び保険医療担当規則第9条)に準じた運用が一般的です。フィルム時代は劣化・紛失リスクがありましたが、デジタルデータとしてPACSに保管すれば、劣化なく確実に長期保存できます。
さらに、電子カルテと連携することで「いつ・誰が・どの画像を参照したか」というアクセスログの管理も一元化でき、医療情報セキュリティや個人情報保護の観点から要求される監査対応もスムーズになります。
エムスリーデジカルのPACS連携対応
クラウド電子カルテシェアNo.1(m3.com調査2026年3月)のエムスリーデジカルは、90以上のサービス・機器と連携実績があります。PACS連携の一部例は以下の通りです。
メーカー | 機械名 |
|---|---|
富士フイルム | C@RNACORE |
コニカミノルタジャパン | Unitea |
Canon | RapideyeCore |
ViewSend ICT | ViewSend RAD Viewer |
エムネス | LOOKREC |
(上記は連携実績の一部例です)
エムスリーデジカルは「圧倒的な使いやすさ」と「導入しやすい低価格」を一貫して追求し、累計1万件超のクリニックに採用されています。
初期費用は0円〜、月額費用は11,800円〜(税別、ORCA連動型)から始められるため、開業初期の投資を抑えながらPACS連携を含む本格的な電子化を実現できます。導入を検討されている方には、まず無料体験でその使いやすさをご確認いただくことをお勧めします。
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まとめ
PACSと電子カルテを組み合わせることで、日々の運用がしやすくなる可能性があります。特にクラウド型を検討されている場合は、電子カルテとの連携のしやすさも合わせて考えることが、システム選びの大きなポイントになります。







