クリニック・病院のM&A(事業承継)完全ガイド|売却・第三者継承の手続きと成功の秘訣
2026年03月11日
クリニックや病院のM&A(事業承継・売却)について、個人と医療法人の手続きの違いや、急増する「第三者継承」を成功させる秘訣を分かりやすく解説します。売り手・買い手双方のメリットから、将来的な継承を見据えた電子カルテ等のDX化まで、電子カルテシェアNo.1のエムスリーデジカルがプロの視点でお伝えします。
目次
近年、医療業界において「クリニック M&A」や「病院 M&A」が活発化しています。かつて医療機関の継承といえば、ご子息などの親族へ引き継ぐ形が一般的でしたが、現在では親族外の医師や医療法人へ譲渡する「第三者継承」が急増しています。
「高齢化で引退したいが後継者がいない」「経営を安定させるために病院を売却したい」といった売り手側の悩みと、「初期費用を抑えて開業したい」「分院を展開したい」という買い手側のニーズが合致し、M&A(事業承継)は双方にとってメリットの大きい選択肢となっています。
本記事では、クリニックや病院の売却・継承を検討している方に向けて、M&Aの基礎知識から、医療法人特有の承継手続き、そして成功の秘訣までを網羅的に解説します。
クリニック・病院の「M&A」「事業承継」「売却」の違いとは?
医療機関の引き継ぎに関して、様々な用語が使われますが、根本的な目的は同じです。
- 事業承継(継承):患者さん、スタッフ、医療機器、そして地域での役割など、医療機関の「事業そのもの」を次の世代へ引き継ぐことを指します。「病院 継承」や「病院 事業承継」という言葉は、主にこの文脈で使われます。
- M&A(Mergers and Acquisitions):合併と買収を意味し、第三者へ事業を譲渡(売却)する際の手法です。現在、後継者不在の解決策として「クリニック 第三者継承」を行う場合、実質的にこのM&Aのスキームが用いられます。
- 売却・譲渡:経営権や資産を第三者に有償で引き渡すことです。「クリニック 売却」や「病院 売却」は、M&Aにおける売り手側の視点を強調した表現です。
↓後継者不在で悩んでおり、承継と廃院のどちらを選ぶべきか迷っている方はこちらの資料もぜひご覧ください。

資料閲覧はこちら:【継承と廃院】それぞれの手順と、メリット・デメリットを解説
医療機関(クリニック・病院)のM&A・売却のメリット
M&Aは、譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)の双方が納得して初めて成立します。それぞれの立場から見たメリットを確認しましょう。
【譲渡側(売り手)】廃院の回避と売却益の獲得
長年地域医療を支えてきた院長にとって、最大のメリットは「患者さんとスタッフを守り、地域医療を存続できること」です。 また、廃院にする場合は、テナントの原状回復や医療機器の廃棄に多額のコストがかかりますが、クリニック売却や病院売却が成立すれば、これらのコストを回避できるだけでなく、譲渡対価(売却益)を得ることで、ゆとりあるリタイア後の生活資金に充てることができます。
【譲受側(買い手)】低リスクでの「継承開業」
買い手にとっては、「経営リスクの低減」が最大のメリットです。 既存の内装や医療機器をそのまま引き継げるため、新規開業に比べて初期費用を大幅に抑えられます。また、すでに教育されたスタッフや、通い慣れた患者さんを引き継ぐことができるため、開業初日から安定した収益が見込める点も大きな魅力です。
↓新規開業と継承開業、どちらがご自身に合っているか比較検討したい方はこちらの資料もご覧ください。
38.1cm%C3%9713.23cm%20(1).png)
資料閲覧はこちら:継承開業、新規開業を比較 ~スムーズな継承におけるPOINT~
「個人クリニック」と「医療法人」の継承手続きの違い
クリニックや病院の継承手続きは、経営主体が「個人」か「医療法人」かによって大きく異なります。特に「医療法人 承継」は法的な手続きが複雑になるため、違いを正確に理解しておくことが重要です。
個人クリニックの「事業譲渡」
個人のクリニックを継承する場合、基本的には「事業譲渡」というスキームがとられます。 土地、建物、内装、医療機器などを個別に売買・賃貸し、スタッフとは一度雇用契約を解消した上で、新院長と再契約を結びます。また、個人クリニックは「一代限り」の許可であるため、売り手は「廃止届」を、買い手は「開設届」を保健所等へ提出し直す必要があります。
医療法人の「出資持分譲渡」と役員変更
医療法人の承継(病院 継承など)では、「出資持分の譲渡」(※経過措置型医療法人の場合)や「社員の退社・入社、および役員(理事長・理事)の交代」によって経営権を移転します。 法人格がそのまま存続するため、クリニック名、各行政機関への指定・許可、スタッフとの雇用契約、リース契約などを原則としてそのまま引き継げるのが大きなメリットです。ただし、法人が抱える負債(借入金など)や、帳簿に載っていない簿外債務も引き継ぐことになるため、買い手側は事前の厳密な調査(デューデリジェンス)が不可欠です。
クリニック・病院のM&A・継承手続きの具体的な流れ
クリニックの継承手続きや、病院のM&Aは、一般的に以下のようなステップで進みます。(期間の目安:半年〜1年半程度)
1. 検討・価値評価(売却価格の算定)
まずはM&Aの仲介会社や専門のコンサルタントに相談します。財務状況や資産を基に、「自院がいくらで売却できるか(企業価値評価)」を算定します。
相談先としては、年間多数の成約実績を持つエムスリーグループの開業・経営サービス(https://clinic.m3.com/index.htm)を活用するのも一つの手です。
なお、専門家による価値評価においては、立地や収益性だけでなく、「引き継ぎやすい環境が整っているか(=クラウド型電子カルテ等のITツールが導入されているか)」も、プラス査定に影響する重要な要素となりつつあります。
2. 候補先の選定・基本合意
匿名情報(ノンネームシート)で買い手を募集し、関心を持った候補者と秘密保持契約を結んだ上で詳細情報を開示します。トップ面談を経て双方が合意すれば、譲渡価格や条件のベースとなる「基本合意書」を締結します。
3. デューデリジェンス(買収監査)
買い手側が、売り手側の財務、法務、税務などに隠れたリスク(未払い残業代や医療過誤のリスクなど)がないか、公認会計士や弁護士を通じて詳細に調査します。
4. 最終契約・各行政機関への手続き(クロージング)
調査結果を踏まえて最終的な条件調整を行い、「事業譲渡契約」または「出資持分譲渡契約」等を締結します。その後、保健所や厚生局などへの各種届出(開設・廃止・保険医療機関指定など)を完了させ、引き継ぎを行います。
↓継承手続きだけでなく、開業全般の流れや費用相場を網羅的に知りたい方はこちらの資料もご覧ください。
38.1cm%C3%9713.23cm.png)
資料閲覧はこちら:診療所開業マニュアル-開業の手順と費用相場を解説-
クリニック・病院の「第三者継承」を成功させる秘訣
M&Aは契約して終わりではありません。引き継いだ後もクリニックや病院が地域で愛され、成長し続けることが真の成功です。
1. 早めの準備と専門家の活用
経営状態が悪化してからや、院長が体調を崩してからでは、良い条件での買い手は見つかりにくくなります。黒字経営で患者さんがしっかり付いている「元気なうち」に準備を始めることが、病院売却やクリニック第三者継承を成功させる最大のコツです。
2. スタッフ・患者への配慮と理念の引き継ぎ
経営者が変わることは、スタッフや患者さんにとって大きな不安です。譲渡側は急に退任するのではなく、一定期間「顧問」や「非常勤医師」として残り、新院長を患者さんや地域に紹介する(ソフトランディング)期間を設けることで、トラブルを防ぐことができます。
3. 電子カルテやDX化による「売却価値」の向上
これから数年以内の事業承継を見据えている場合、「クリニックのデジタル化(DX化)」がM&Aにおける大きな武器になります。 紙カルテのままでは、膨大な過去のカルテを新しいシステムへ移行・確認する手間がかかり、買い手から敬遠される要因になりかねません。一方、クラウド型電子カルテなどが既に導入されていれば、データの引き継ぎがスムーズになり、買い手からの評価(売却価格)が高まりやすくなります。
まとめ:将来のM&A・事業承継を見据えたクリニック経営を
クリニックや病院のM&A(事業承継)は、地域医療を守りつつ、経営者のハッピーリタイアを実現し、若い世代の開業を後押しする非常に有効な手段です。
もし将来的に第三者継承や売却を少しでもお考えであれば、まずは「今のクリニックの価値を高めること」から始めてみませんか?
電子カルテシェアNo.1のエムスリーデジカルなら、初期費用0円〜で導入可能なクラウド型電子カルテにより、スムーズなDX化を実現します。AIによる学習機能で入力の手間を大幅に削減できるほか、予約から決済までをオールインワンで管理する「デジスマ診療」と連携すれば、業務効率化と患者満足度の両方を劇的に高めることが可能です。
「デジタル化された、効率的で引き継ぎやすいクリニック」を作ることは、結果として将来のM&Aを有利に進めるための強力な布石となります。
↓最新の開業費用相場を把握し、M&A時の適正な売却・買収価格の参考にしたい方はこちらの資料もご覧ください。
38.1cm%C3%9713.23cm.png)
資料閲覧はこちら:2026年最新版 クリニック開業費用相場レポート
まずは、エムスリーデジカルの圧倒的な操作性を無料で体験してみてください。
38.1cm%C3%9713.23cm%20(1).png)
資料閲覧はこちら:エムスリーデジカル 詳細資料







