電子カルテはいつから義務化される?2030年に向けた対応ガイド|メリット・デメリット・おすすめ比較
2025年12月16日
電子カルテの「義務化」はいつから始まるのでしょうか?2025年11月現在、法的な導入義務はありませんが、国は「2030年までにほぼ全ての医療機関での普及」を目指し、医療DXを強力に推進しています。本記事では、電子カルテ義務化の最新動向、背景となる国の政策(医療DX令和ビジョン2030)、導入のメリット・デメリット、そして電子カルテの選び方までを、クリニック経営者・医師の方向けに徹底解説します。
電子カルテはいつから義務化される?
「電子カルテの義務化」という言葉が飛び交っていますが、2025年12月時点では、法律で電子カルテの導入が義務付けられているわけではありません。
しかし、国は「医療DX令和ビジョン2030」を掲げ、2030年までに、ほぼ全ての医療機関での電子カルテ導入と、その情報共有を目指すという明確な目標を設定しています。これは、事実上の「電子カルテ導入推進」の流れであり、今後、電子カルテを導入しない医療機関は、診療報酬上の加算や、国が推進する医療連携ネットワークから取り残される可能性が高まります。
医療DX令和ビジョン2030の具体的な内容
厚生労働省が示す「医療DX令和ビジョン2030」の目標は、単に電子カルテを導入するだけではありません。以下の3つの柱を中心に、医療情報の一元化と共有を推進するものです。
- 電子カルテの普及: 2030年までに、全医療機関の9割以上が電子カルテを導入し、診療所では8割以上での導入を目指します。
- 電子カルテ情報共有サービス(仮称)の実現: 2025年度中の本格稼働を目指し、全国の医療機関で患者の診療情報を共有できる仕組みを構築します。
- 標準型電子カルテ・標準規格に準拠した電子カルテの推進:
- 標準型電子カルテ: 国が定めた機能・セキュリティ要件を満たし、共通のデータ形式を持つ統一仕様の製品です。これにより、システム間のデータ交換を容易にすることを目指しています。
- 標準規格に準拠した電子カルテ: 標準型以外にも、既存の電子カルテがデータ連携のための標準規格に準拠することを推進しています。この規格に対応していれば、異なるメーカーの電子カルテ間でもスムーズな情報連携が可能になります。
この流れは、将来的に地域医療連携や大規模災害時の医療提供においても、電子カルテの利用が前提となることを意味しています。
電子カルテの導入検討は、国の政策目標を把握した上で行うことが重要です。医療DXの全体像と具体的な方針について詳しく知りたい方は、以下の資料をご参照ください。
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資料閲覧はこちら:医療DX令和ビジョン2030とは? ~概要・方針・現状についてご紹介~
導入しないと取り残される「電子カルテ情報共有サービス」
特に注目すべきは、2025年度中に本格稼働が予定されている「電子カルテ情報共有サービス」です。
このサービスは、異なる医療機関・薬局間で、患者の診療情報(6情報:傷病名、アレルギー、感染症、投薬、検査、処方)を共有できるようにするもので、質の高い医療提供に不可欠な基盤となります。
この情報共有サービスへの参加が診療報酬の要件となる可能性や、地域医療連携において情報連携ができないことによる不利益が懸念されます。
電子カルテの普及率に関する最新の調査データは、現状を把握する上で非常に参考になります。
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資料閲覧はこちら:m3.com調査最新版 開業医3,000人に聞いた 電子カルテ使用率調査
電子カルテのメリット
電子カルテは、国の推進とは別に、クリニックの業務効率化と質の向上に直結する数多くのメリットがあります。
1. 業務効率化と人件費削減
- レセプト業務の効率化: レセコン一体型であれば、診療情報から自動でレセプトを作成するため、チェック作業が大幅に削減されます。
- 書類作成の簡素化: 紹介状や診断書などの文書作成が、定型文や過去データを活用して素早く行えます。
- 検索・管理の容易化: 過去のカルテや検査結果を瞬時に検索でき、紙カルテのようなファイリングや保管場所の確保が不要になります。
2. 医療の質と安全性の向上
- 情報共有の迅速化: 院内スタッフ間でリアルタイムに情報が共有でき、オーダーミスや伝達ミスを減らせます。
- 投薬・処方ミスの防止: 過去の投薬履歴やアレルギー情報のアラート機能により、医療事故のリスクを低減します。
- 見やすい診療録: 手書き文字による判読ミスのリスクがなくなり、医療従事者全員が同じ情報を見られます。
3. 経営改善と患者満足度向上
- 待ち時間の短縮: 受付から会計までスムーズに進むことで、患者さんの待ち時間が短縮され、満足度向上につながります。
- データ活用: 診療データを分析し、傾向を把握することで、より効果的な集患対策や経営改善に役立てられます。
電子カルテのデメリット
導入を検討する上で、留意すべきデメリットや課題も存在します。
1. 導入・運用コスト
- 初期費用: サーバーや端末の購入費、システム設定費用など、導入時に一定の費用が発生します。(ただし、後述の補助金で軽減可能です。)
- 月額費用: クラウド型、オンプレミス型によって異なりますが、月々の利用料や保守費用がかかります。
2. 慣れと操作性の問題
- 操作習熟の必要性: 慣れるまでに一定の時間がかかり、特にキーボード入力が苦手な医師やスタッフは戸惑う可能性があります。
- システム障害のリスク: 稀にシステムダウンやネットワーク障害が発生すると、一時的に診療が停止するリスクがあります。
- クラウド型特有のリスク: インターネット環境に依存するため、回線が不安定になると操作性が低下する場合があります。
3. 移行期間の業務負荷
- データの移行作業: 紙カルテからのデータ移行(特に過去の重要な情報)には手間と時間がかかります。
- 導入時の混乱: 導入直後は、操作手順の習得や紙カルテからの切り替えにより、一時的に診療のスピードが落ちる可能性があります。
これらのデメリットを最小限に抑えるには、操作性が高く、サポート体制が充実した電子カルテを選ぶことが重要です。
電子カルテの導入手順
スムーズな電子カルテ導入のためには、計画的かつ段階的な準備が必要です。
- 現状分析と要件定義:
- クリニックの診療スタイル、規模、スタッフのITリテラシー、予算を明確にします。
- 「何のために電子カルテを導入するのか」(例:待ち時間短縮、レセプト業務削減など)という目的を明確にし、必要な機能を洗い出します。
- 情報収集・比較検討:
- 複数の電子カルテメーカーから資料を取り寄せ、デモンストレーションを受けます。
- 特に、診療科目に特化した機能があるか、周辺システム(予約、問診、オンライン診療など)との連携はスムーズかを確認しましょう。
- ベンダー(メーカー)の選定と契約:
- システム機能だけでなく、導入サポート体制や、導入後の保守・トラブル対応についてもしっかり確認し、ベンダーを選定します。
- 導入準備と環境構築:
- 必要なPC、タブレット、プリンターなどのハードウェアを準備します。
- ネットワーク環境の整備、セキュリティ対策を施します。
- データ移行・操作研修:
- 紙カルテからのデータ移行(マスタ登録や過去カルテの登録)を行います。
- 医師・スタッフ全員が操作に慣れるための研修を徹底して行います。
- 本稼働と運用・評価:
- 本稼働後も、予期せぬトラブルや操作上の疑問が発生するため、導入直後のベンダーサポートを活用しながら運用し、定期的に業務フローを評価・改善します。
電子カルテの選び方
電子カルテを選定する際は、単に機能の多さだけでなく、クリニックの将来を見据えた視点が重要です。
1. 形態:クラウド型 vs. オンプレミス型
項目 | クラウド型(例:エムスリーデジカル) | オンプレミス型(院内サーバー設置型) |
データ管理 | 外部のデータセンター(クラウド) | 院内のサーバー |
初期費用 | 比較的安い(サーバー不要) | 高い(サーバー購入費など) |
月額費用 | ランニングコストが発生 | 比較的安い(保守費用のみ) |
システム更新 | 自動で最新版に更新される | 手動で更新が必要 |
災害対策 | 外部で分散管理されており安心 | 院外へのバックアップが必要 |
連携・拡張性 | 国の定める標準規格への対応・Webサービスとの連携が容易 | 連携に制限がある場合がある |
特に、政府が推進する「標準規格に準拠した電子カルテ」の方向性はクラウド型を強く志向しており、コスト、運用負荷、拡張性の面から、現在ではクラウド型が主流になりつつあります。エムスリーデジカルのようなクラウド型は、国の推進する情報共有基盤にもスムーズに対応できる点が大きな強みです。
2. 連携・拡張性
電子カルテは単体で完結するものではありません。将来的な医療DXを見据え、以下の周辺システムとスムーズに連携できることが重要です。
- 予約・受付システム(デジスマ診療など)
- Web問診システム
- オンライン診療システム
- 検査システム(LIS)
- 画像システム(PACS)
これらのシステムとの連携がシームレスであるほど、受付から診察、会計までの業務が効率化され、スタッフの負担が軽減されます。
3. サポート体制とセキュリティ
- サポート体制: 導入時だけでなく、診療中に発生したトラブルにすぐに対応できる24時間体制のサポートがあるか。
- セキュリティ: 医療情報を扱うため、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守した、強固なセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。
電子カルテのおすすめを紹介
電子カルテの導入が「義務化」の流れにある今、どの製品を選ぶべきか悩むクリニック経営者の方も多いでしょう。ここでは、国の推進する医療DXと、現場のニーズを両立させた、おすすめの電子カルテをご紹介します。
エムスリーデジカル
エムスリーデジカルは、医療情報サイト「m3.com」を運営するエムスリーグループが提供するクラウド型電子カルテです。高い操作性と豊富な機能、そして最新のAI技術を活用した業務効率化機能が特徴で、急速にシェアを拡大しています。
エムスリーデジカルの主な特徴
- 直感的な操作性: 洗練されたUI/UXで、電子カルテの操作に不慣れな方でもスムーズに利用できます。タブレットでの手書き入力や音声入力にも対応し、医師の負担を軽減します。
- AIによる業務支援: 患者ごと、医師ごとのよく利用するオーダーを学習しリストに表示するなど、AIを活用した機能が充実しています。これにより、診察時間の短縮や医療の質の向上に貢献します。
- 「デジスマ診療」とのスムーズな連携: WEB予約・WEB問診・自動受付・キャッシュレス決済・オンライン診療の機能などがオールインワンになった**「デジスマ診療」と連携**し、患者さんの予約から診察、会計までを効率化します。
- レセコン一体型: レセプトコンピュータが標準で搭載されており、レセプト作成業務を効率化します。
- 充実した導入サポート: 専任スタッフによる導入前コンサルティングから導入後のサポートまで手厚い支援を提供しています。
項目 | 詳細 |
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | 11,800円~(ORCA連動型)、24,800円~(レセコン一体型)※税別 |
システム形態 | クラウド型 |
AI機能 | AI自動学習機能 |
連携 | デジスマ診療など周辺システムと充実連携 |
デジカルの詳しい機能や料金プラン
その他の機能や料金プランを確認したい方はこちらをご確認してください。

また、エムスリーデジカルは無料で操作性を体験することができます。こちらからご登録ください。
まとめ
電子カルテは、法的にはまだ義務化されていませんが、2030年の全国普及を目指すという国の強力な推進方針は、実質的な導入を促しています。この流れは、単なるIT化ではなく、医療の質向上と、クリニックの業務効率化・経営改善という大きなメリットを医療機関にもたらします。
義務化を待つのではなく、今のうちに自院の診療スタイルに合った、連携・拡張性の高いクラウド型電子カルテの導入を検討することが、2030年に向けた最も賢明な対応と言えるでしょう。
特に、エムスリーデジカルのように、操作性に優れ、AI機能やデジスマ診療との連携により業務効率化を徹底サポートする製品は、紙カルテからの移行を検討されているクリニックにとって最適な選択肢の一つとなります。







