電子カルテ導入費用の相場は?費用を決める要因とコストを抑える3つの方法
2023年11月2日
「電子カルテの導入費用はどのくらいかかるんだろう」「導入を検討しているけれど、なるべくコストは抑えたい」という方は多いのではないでしょうか。
一般的に、電子カルテ導入費用の相場は300万円前後かかります。とはいえ、システムや機能など、さまざまな要因によって導入・運用にかかる費用は異なるため、事前に見積もりを依頼し、コストを抑えることが大切です。
この記事では、電子カルテ導入費用の相場や、費用を決める要因を解説します。費用を抑える方法もお伝えするので、自院に適した電子カルテ導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
電子カルテ導入費用の相場
電子カルテ導入費用の相場は、オンプレミス型とクラウド型のいずれかによって大きく異なります。それぞれ解説します。
オンプレミス型の導入費用の相場
オンプレミス型とは、院内にサーバーを設置し、利用端末をLANで接続するタイプの電子カルテです。オンプレミス型の導入費用の相場は、一般的に300万〜500万円程度かかるケースがあります。
費用は高い傾向にありますが、カスタマイズしやすい、セキュリティ面で安心といったメリットがあります。
クラウド型の導入費用の相場
クラウド型とは、院内にサーバーを必要とせず、インターネット環境で利用するタイプの電子カルテです。クラウド型の初期費用は10万円~程度のケースがあります。オンプレミス型に比べてカスタマイズしづらいデメリットはありますが、場所を選ばず使用できたり、端末の指定がないため初期のPC購入費用が安くなるといったメリットがあります。
電子カルテ導入費用を決める要因
電子カルテの導入費用を決める要因は、オンプレミス型・クラウド型などのシステムを含め、以下のようなものがあります。
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オンプレミス型・クラウド型の違い
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レセコン一体型か
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周辺機器
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他システムとの連携
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カスタマイズの内容
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ライセンス数
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サポート体制の違い
それぞれ解説します。
オンプレミス型・クラウド型の違い
オンプレミス型とクラウド型では、以下のような料金体系が一般的です。
システム形態 | 料金体系 |
---|---|
オンプレミス型 | 初期費用+保守費用(年額or月額) |
クラウド型 | 初期費用+月額費用 |
オンプレミス型は、クラウド型に比べて初期導入費用が高くなります。さらに、毎月もしくは1年ごとの保守費用が必要です。
その一方、クラウド型は保守費用がかかりません。端末の指定がなく、院内にあるパソコンをそのまま使えるケースもあるため、ハード面でもコストを抑えられます。とはいえ、パソコンを新たに購入する必要がある場合は、別途費用がかかる可能性があるでしょう。
レセコン導入形態
レセコン導入形態によっても、導入費用が異なります。レセコンの導入形態は、一体型と連携型の2種類あり、それぞれの特徴は以下の通りです。
レセコン導入形態 | 特徴 |
---|---|
一体型(内包型) |
|
連携型 |
|
周辺機器
電子カルテを導入する際、パソコンやプリンター、スキャナーなどの周辺機器を新たに購入しなければならないケースがあるでしょう。診療の形態によって必要な周辺機器は異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
他システムとの連携
電子カルテは、PACSや外注検査会社、会計、予約管理、問診など、自院の診療スタイルに合わせてシステム連携が可能な場合があります。これらのシステムと連携するためには、それぞれ費用がかかる場合があります。電子カルテや自院の環境によって連携できるシステムは異なるため、事前にメーカーに確認してみましょう。
カスタマイズの内容
電子カルテのなかには、自院の診療科やスタイルに適した仕様にカスタマイズできるものがあります。カスタマイズの内容によって、費用が追加されることもあるため、電子カルテ導入にかかる費用は高くなる可能性があるでしょう。
とはいえ、自院のスタイルに合わせてカスタマイズできるため、利便性の向上につながります。あらかじめ、自院に必要なカスタマイズの内容を明確にしておくと良いでしょう。
ライセンス数
電子カルテのライセンス数によっても、導入費用は異なる場合があります。電子カルテのライセンスは「クライアントライセンス」と「ユーザーライセンス」の2種類です。
クライアントライセンスの場合、パソコン台数によって費用が決定します。例えば、5台のパソコンで同時ログインする場合、5つのライセンスが必要です。
ユーザーライセンスの場合、電子カルテを利用する人数で費用が決定します。3人のスタッフが同時ログインする場合、3つのライセンスが必要となります。
病床規模が大きな病院はライセンス数が多くなり、費用が高くなりがちです。無駄な費用をかけないために、自院の規模に適したライセンス数を選ぶようにしましょう。
エムスリーデジカルでは、ライセンス数に限らず料金は一定となっておりますので、ぜひお試しください。
サポート体制の違い
サポート体制の違いによっても、電子カルテ導入費用が異なってきます。例えば、導入前の操作方法のレクチャーの有無、電話もしくはリモートによるサポートなのか、訪問サポートがあるのか、またその回数などによって料金が変わる場合があります。
とはいえ、電子カルテの操作に不安があったり、パソコン操作が苦手なスタッフがいたりする場合は、多少費用がかかってもサポートを受けた方が良いでしょう。また、電子カルテ導入後のサポート体制もよく検討し、トラブル対策をしておくことが大切です。
電子カルテの導入費用を抑える3つの方法
電子カルテの導入費用はさまざまな要因によって決まりますが、以下3つの方法で費用を抑えられる可能性が高くなります。
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予算を決める
-
見積もりを依頼する
-
補助金を活用する
それぞれ見ていきましょう。
予算を決める
電子カルテの導入を検討する際、あらかじめ予算を決めておく必要があります。
まずは、自院の課題を洗い出すことが大切です。現在の課題を解決するため、自院の規模に適した形態やシステム連携機能、必要なライセンス数などを明確にしましょう。
例えば訪問診療をメインにしている医療機関であれば、クラウド型電子カルテの導入が役立ちます。iPadなどのタブレット端末を院外に持ち出して操作できるため、業務効率化に活用できるでしょう。
見積もりを依頼する
電子カルテの導入費用を抑えるためには、複数メーカーへ見積もりを依頼することが大切です。
電子カルテにかかる費用は、メーカーや製品によって異なります。あらかじめ自社に必要な機能を明確にしたら、導入費用だけでなく、運用コストも含めた見積もりを取ることで、費用対効果を高められるでしょう。
補助金を活用する(2023年10月1日時点)
電子カルテを導入する際、国の補助金を活用すれば費用を抑えられます。活用可能なものとして、IT導入補助金が挙げられます。具体的な補助対象や補助金額は、以下の通りです。
※IT導入補助金は交付申請後、審査を経て交付決定がなされます。申請後必ず補助が受けられるとは限りません。電子カルテなどの通過率は3割程度と言われています。
補助対事業者 |
中小企業・小規模事業者等 |
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補助対象ツール |
事前に事務局の審査を受け、補助金HPに登録されているITツール(ソフトウェア・サービス等) ※相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も対象 |
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補助額・補助率 |
補助額 |
補助率 |
対象 |
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通常枠 |
A類枠 |
5万〜150万円未満 |
1/2以内 |
・ソフトウェア購入費 ・クラウド利用費(利用料最大2年分) ・導入関連費 |
|
B類枠 |
150万〜450万円以下 |
1/2以内 |
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セキュリティ対策推進枠 |
5万〜100万円 |
1/2以内 |
・サービス利用料(最大2年分) |
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デジタル化基盤導入枠 |
商流一括インボイス対応類型 |
ITツール(インボイス制度に対応し、受発注機能を有するもの):〜350万円 |
2/3以内 |
・クラウド利用費(利用料最大2年分) |
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デジタル化基盤導入類型 |
ITツール:〜50万円以下 |
3/4以内 |
・ソフトウェア購入費 ・クラウド利用費(利用料最大2年分) ・ハードウェア購入費 ・導入関連費 ※複数社連携IT導入類型のみ、上記に加え事務費・専門家費 |
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PC等:〜10万円 |
1/2以内 |
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レジ等:〜20万円 |
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複数社連携IT導入類型 |
a.デジタル化基盤導入類型の対象経費 b.それ以外の経費→補助上限額50万円×グループ構成員数、補助率は2/3 1事業あたりの補助上限額は3,000万円) |
参考: IT導入補助金2023
「IT導入補助金2023」では、インボイス対応に必要なITツール導入を促進する目的で、デジタル化基盤導入類型において、補助率の引き上げや、最大2年分のクラウド利用料補助、パソコンなどのハードウェア購入補助が受けられます。
補助金をうまく活用すれば、電子カルテ導入・運用コストを抑えられるでしょう。
まとめ
電子カルテ導入費用は、オンプレミス型・クラウド型の違いや機能などさまざまな要因によって異なります。あらかじめ自社に必要な形態やシステムを明確にし、複数メーカーの見積もりを比較することが大切です。また、IT化を推進する国の補助金をうまく活用することで、電子カルテ導入・運用コストを抑えやすくなるでしょう。
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