【2025年版】電子カルテ比較11選!アプリ・モバイル・タブレット活用のメリットと選び方を徹底解説
2025年11月12日
電子カルテの導入を検討中のクリニック経営者や事務長の方へ。本記事では、タブレット・スマホ対応の電子カルテのメリットから、失敗しない選び方までを詳しく解説。エムスリーデジカルを含む、おすすめのクラウド型電子カルテ11製品を正確な情報に基づいて比較紹介します。院内業務の効率化と患者満足度向上を実現しましょう。
目次
【2025年版】電子カルテ比較11選!アプリ・モバイル・タブレット活用のメリットと選び方を徹底解説
近年、医療現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、電子カルテの導入が進んでいます。特に、クラウド型電子カルテは、PCでの利用の他、タブレットやスマートフォン(モバイル端末)などでも利用できるメーカーも多く、外出先からでもカルテ記載や閲覧を手軽に行うことができ、利便性の高さから注目を集めています。
現在、ほとんどのクラウド型電子カルテはPCやタブレットのWebブラウザをメインに使用しますが、特定の機能(閲覧用や手書き入力など)をより便利に使用するための専用アプリをリリースしているメーカーもあります。
本記事では、モバイル端末からも快適に利用できるクラウド型電子カルテ11製品を厳選してご紹介します。
電子カルテのモバイル対応がもたらすメリットから選び方、具体的な製品比較までを包括的に解説しますので、貴院の電子カルテ導入・乗り換えの検討にぜひお役立てください。
アプリ・モバイル・タブレット対応の電子カルテを導入するメリット
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応したクラウド型電子カルテを導入することで、従来の紙カルテや据え置き型の電子カルテでは難しかった、さまざまな業務効率化や利便性向上が期待できます。
どこでも見られる
モバイル端末対応の最大のメリットは、場所を選ばずにカルテの閲覧・入力が可能になる点です。
- 往診・在宅診療: 医師が患者宅へ訪問する際、重いノートPCを持ち運ぶ必要がなく、軽量のiPadやスマートフォンでカルテを参照・記録できます。
- 院内での移動: 診察室だけでなく、処置室や待合室など、院内のどこにいても患者様の情報を即座に確認・記録できます。これにより、院内導線がスムーズになります。
手書き&写真が便利
タブレット端末と電子カルテシステム(または専用の補助アプリ)の組み合わせは、直感的な入力と記録を可能にします。
- 手書き入力: タブレットと専用ペンを使用することで、紙カルテのような感覚でシェーマやイラストを描画・保存できます。複雑な患部の状態や処置内容を分かりやすく記録する際に役立ちます。
- 写真・動画の取り込み: スマートフォンやタブレットのカメラで患部や皮膚の状態を撮影し、瞬時にカルテへアップロードできます。写真が時系列で保存されるため、経過観察が必要な症例の比較や、患者様への説明に役立ちます。
情報共有がリアルタイム
クラウド型の電子カルテは、入力された情報がリアルタイムでクラウド上に保存され、院内すべての端末で共有されます。
- 複数スタッフによる同時アクセス: 診察室で医師がカルテを記入している間に、受付スタッフが会計処理の準備をしたり、看護師が予診票を確認したりと、情報共有のタイムラグを解消できます。
部門連携の強化: 検査部門や薬剤部門などとの連携もスムーズになり、院内の診療プロセス全体を効率化できます。
多くの開業医の先生方は、電子カルテ導入にあたり、他院の動向や市場全体のトレンドを気にされています。最新の市場調査結果をご覧いただくことで、自院の導入計画をより確かなものにできます。導入の検討を始める前に、ぜひ最新の電子カルテ使用率に関するレポートをご確認ください。
資料ダウンロードはこちら:m3.com調査最新版 開業医3,000人に聞いた 電子カルテ使用率調査
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アプリ・モバイル・タブレット対応の電子カルテを選ぶ際の注意点と選び方
モバイル端末で利用できる電子カルテを選ぶ際は、単に「アプリがあるかどうか」だけでなく、自院の診療スタイルや求める機能を基準に、以下の3つのポイントを重点的にチェックしましょう。
1. 操作性(ブラウザ操作の快適性)
ほとんどのクラウド型電子カルテはWebブラウザで操作するため、PC・タブレットそれぞれのブラウザ上での操作性が重要です。
- 画面設計: スマートフォンやタブレットの画面サイズに最適化されており、タップやスワイプなどの操作で迷子にならないシンプルな設計であるかを確認しましょう。
- 入力補助機能: 過去の診療内容や所見を記憶し、入力候補を自動で提案するAI学習機能が搭載されている製品を選ぶと、使えば使うほど入力時間が短縮されます(例:エムスリーデジカル)。
2. サポート(導入時と緊急時の対応)
電子カルテはクリニックの診療を支える基幹システムであるため、トラブル時の対応が遅れると診療全体に大きな影響を及ぼします。
- 導入時のサポート: 導入前のデータ移行、操作指導、マスタ設定などをどこまでサポートしてくれるか。特に、紙カルテからの移行や初めての電子カルテ導入の場合は、手厚いサポートが必要です。
- 緊急時のサポート: 障害やシステム停止が発生した際の対応時間や、バックアップ体制を確認しましょう。
3. 料金(トータルコストと機能のバランス)
電子カルテの費用は、初期費用、月額費用(ランニングコスト)、オプション費用の3つで構成されます。
- 初期費用: クラウド型は初期費用が安価に抑えられている製品が多くあります。
- 月額費用: 利用する機能や規模によって変動します。月額費用だけでなく、必要な機能が標準搭載されているかを確認し、トータルコストで比較しましょう。
- 追加費用: レセコン連携や予約システム連携、在宅診療機能などがオプション)になっていないか、事前にチェックが必要です。
電子カルテの導入には、費用がネックになるケースも少なくありません。しかし、国や自治体による補助金制度を活用することで、導入コストを大幅に抑えることが可能です。特に新規開業時や大規模なシステム入れ替え時には、補助金に関する最新情報を把握しておくことが重要です。
資料ダウンロードはこちら:【補助金情報最新版】電子カルテに使える補助金まとめ

おすすめの電子カルテ11選(モバイル対応クラウド型)
ここからは、モバイル端末(スマートフォン、タブレット)での利用に対応している、医療機関向けの主要なクラウド型電子カルテ11製品を比較紹介します。
製品名 | 特徴・強み | iPad対応 | Web版有無 | 料金体系(目安) |
エムスリーデジカル | AI学習機能とデジスマ連携で業務効率化。クラウド型シェアNo.1実績。 | 〇 | 〇 | 初期0円~、月額11,800円~ |
CLIUS(クリアス) | 予約から会計まで一元管理。シンプルな操作性と充実したサポート体制。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
きりんカルテ | iPadでの手書き入力に強く、紙カルテからの移行がスムーズ。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
BrainBoxCloud | AIによる入力学習と最適化が強み。サブサーバー標準搭載で通信障害に強い。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
Medicom-HRfシリーズ | 業界大手メディコムのハイブリッドクラウド型。安定性と豊富な実績が強み。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
CLINICSカルテ | オンライン診療と連携し、予約から決済までをシームレスに実現。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
MAPs for CLINIC | インターネット停止時も利用継続可能なハイブリッド型クラウド。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
MEDI BASE(メディベース) | クラウド型電子カルテ。予約連携にも対応し、運用費用を削減。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
blanc(ブラン) | 「いつでも・どこでも・だれでも」を追求したシンプルな電子カルテ。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
HLS(Health Life Searvise) | 特定の診療科に特化した機能を持つクラウド型。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
STORES 予約 | 予約システムがメイン。顧客管理機能を持つ電子カルテ連携サービス。 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
1. エムスリーデジカル / M3DigiKar(エムスリーデジカル)
エムスリーデジカルは、医療情報サイト「m3.com」を運営するエムスリーグループが提供するクラウド型電子カルテです。8年連続でクラウド電子カルテシェアNo.1の実績を誇り、高い操作性と豊富な機能、そして最新のAI技術を活用した業務効率化機能が特徴で、近年特にクリニックからの支持を集め、急速にシェアを拡大しています。
項目 | 詳細 |
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | 11,800円~(ORCA連動型)、24,800円~(レセコン一体型)※いずれも税別 |
システム形態 | クラウド型(メインはWebブラウザ操作) |
AI機能 | AI自動学習機能(オーダーの学習・サジェストなど) |
連携システム | 「デジスマ診療」とスムーズに連携(Web予約・Web問診・キャッシュレス決済など) |
レセコン | レセコン一体型/ORCA連動型 |
その他、詳しい導入事例や料金プランを確認したい方はこちら

また、エムスリーデジカルは無料で操作性を体験することができます。こちらからご登録ください。
2. CLIUS(クリアス)
CLIUSは、Webブラウザで予約・問診・診察・会計といった一連の院内業務を一元管理できるクラウド型電子カルテです。直感的なインターフェースに定評があり、電子カルテ初心者でも操作しやすい設計です。導入時には専任スタッフによるサポート体制も充実しています。
3. きりんカルテ
きりんカルテは、クラウド型の電子カルテシステムです。iPadなどのタブレット端末での手書き入力に対応しており、紙カルテに慣れた医師でもスムーズに移行しやすいのが大きな魅力です。手書きした文字はテキスト化され、検索やコピー&ペーストも可能です。ただし、レセコン連携には別途費用が必要となる場合があります。
4. BrainBoxCloud
BrainBoxCloudは、AIによる入力学習と最適化が強みです。サブサーバーを標準で備えるハイブリッド構成で、万が一の通信障害時にもカルテ作成が止まらないという高いBCP対策が施されています。Webブラウザから利用でき、自院の運用に合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。
5. Medicom-HRf Hybrid Cloud
業界大手であるウィーメックス(PHCグループ)が提供するハイブリッドクラウド型電子カルテです。オンプレミス型の安定性とクラウド型の利便性を両立させています。豊富な導入実績と、全国に広がるサポート体制が強みであり、信頼性を重視するクリニックに適しています。
6. CLINICSカルテ
CLINICSカルテは、オンライン診療システム「CLINICS」との連携がスムーズなクラウド型電子カルテです。予約から問診、診察、決済までをシームレスに実現でき、オンライン診療と対面診療を一元管理したいクリニックに最適です。モバイル端末のWebブラウザからの操作にも対応しています。
7. MAPs for CLINIC
MAPs for CLINICは、クラウド型とオンプレミス型の中間に位置するハイブリッド型電子カルテです。最大の特長は、インターネットが停止した際でも、ローカル環境で電子カルテの利用を継続できる点です。これにより、クラウド型の弱点を補いつつ、モバイル対応の利便性も享受できます。
8. MEDI BASE(メディベース)
MEDI BASEは、クラウド型電子カルテです。予約システムとの連携にも対応しており、運用費用を削減しながら、電子カルテ導入による業務効率化を実現したいクリニックにおすすめです。モバイル対応により、どこでもカルテ確認が可能です。
9. blanc(ブラン)
blanc(ブラン)は、「いつでも・どこでも・だれでも」利用できることを追求したシンプルな電子カルテが特徴です。Webブラウザベースで分かりやすく使いやすい点が特徴であり、ハードウェアの選定の手間や管理コストを抑えています。
10. HLS(Health Life Searvise)
HLS(Health Life Searvise)は、特定の専門領域や診療スタイルに特化した機能を持つクラウド型電子カルテです。Webブラウザを通じてモバイル端末からも利用可能で、自院の診療スタイルに合わせたカスタマイズや機能が求められる場合に適しています。
11. STORES 予約
STORES 予約は、予約システムがメインのサービスですが、電子カルテ機能との連携や顧客管理機能を持つことで、アプリのように利用できます。特に、予約管理と顧客管理を重視するクリニックに適しています。
モバイルアプリでの対応が可能な電子カルテ
エムスリーデジカル / M3DigiKar(エムスリーデジカル)
エムスリーデジカルは、WindowsやMacなど様々なPCのWebブラウザで使える他、タブレットのWebブラウザでも使用できます。
また、カルテ記入や閲覧の補助機能として、以下の専用アプリも提供しております。
- iPad手書き補助アプリ: タイピングではなく手書きでカルテを記載したい方や、シェーマに細かく書き込みたい方におすすめの手書き補助アプリです。紙カルテを超える書き心地でお使いいただけます。

- iPhoneアプリ「M3 DigiKar モバイル」: いつでもどこでも、過去の処置行為や患者さんの情報をお手持ちのiPhoneで確認可能に。訪問診療前の過去カルテ確認や外出中でのカルテにメモ記入・写真のアップロードなどにもご利用いただけます。

電子カルテの導入の進め方
クラウド型電子カルテの導入は、従来のオンプレミス型に比べて短期間で完了できる傾向があります。ここでは、スムーズな導入に向けた4ステップを解説します。
ステップ | 実施内容 | 考慮すべき点 |
Step 1: 情報収集・比較検討 | 製品の資料請求、デモ利用、無料プランの体験。自院に必要な機能、料金、サポート体制を比較。 | Webブラウザまたは補助アプリの操作性を実際に触って確認することが重要です。 |
Step 2: 契約・準備 | 契約締結後、マスタ設定(病名、薬品名など)、予約システムやレセコンとの連携設定。 | データ移行の有無と費用、移行期間を明確にしておく必要があります。 |
Step 3: スタッフへの操作トレーニング | 医師、看護師、事務スタッフ全員に対し、実際の診療導線に沿ったトレーニングを実施。 | Webブラウザ操作や補助アプリの利用に慣れるための時間を十分に確保しましょう。 |
Step 4: 稼働開始・運用 | 本格稼働後も、メーカーのサポートを受けながら、不明点やトラブルに迅速に対応。 | 導入直後は業務スピードが落ちることを想定し、余裕を持った診療体制でスタートしましょう。 |
失敗しないための注意点
- アプリ対応の範囲を確認する: 「アプリ対応」と謳われていても、一部の機能しか使えない、あるいはブラウザ版の画面がそのままモバイル表示されるだけで操作性が悪い場合があります。必ずデモや無料トライアルで実際の操作性を確認してください。
- 既存システムとの連携を確認する: 既に利用している検査機器や会計システム、予約システムと電子カルテがスムーズに連携できるか、事前にメーカーに確認しましょう。
- セキュリティ体制をチェックする: クラウド型はデータが外部サーバーに保存されるため、暗号化技術やアクセス権限設定など、医療情報を取り扱う上でのセキュリティ対策が万全であるかを確認する必要があります。
クラウド型電子カルテの活用により、貴院の業務はより効率化され、患者様へのサービス向上にもつながります。本記事が、貴院の電子カルテ選びの一助となれば幸いです。







